水管理と除草
田植えが終わると、落水期までの約3ヶ月間毎日朝夕に水管理が始まります。
江田集落は”よつい山”と呼ばれる1000M級の山から流れる沢水を贅沢に使い
お米を育てているのです。
現在江田集落は3本の用水路を経て
在住者5世帯、移住者1組の計6世帯が稲作を続けてます。
主流の水路は、全長約2kmでその水路は4世帯の大部分の田んぼをまかなっています。
なので水の取り合い(利用する時間帯が重なる)が生じることも…
僕らのグループは早朝5時半より早めの入水を行い、周りに迷惑をかけないよう水をお借りしている状況です。
無農薬栽培で水管理ってものすごく大切な工程なんです。
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▪️水が溜まらなければ、土が露出しそこに雑草が生える。
▪️水を入れすぎると、水温が低下し活着が遅れる。
▪️路面が露出せず、水温が高められる水量を生長過程に合わせて判断する
(これが一番の楽しみでもあります。)
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余談ですが、次の記事に載せる予定の除草と水に大きな関係?があるのではと
仮説を立ててます。
(1)コナギ(雑草)は酸素を嫌う植物です。
酸素濃度によって発芽率が違うのでは?という仮説を立て、酸素が多く供給される注水口付近をみてみると…ほとんど発芽していません。
一方、水が滞留(水の交換をしない)し、酸素が不足する圃場をみてみると…1日でコナギが発芽しているのが分かります。
コナギが多い圃場は裏を返せば、酸素供給が不足していることも考えられる。酸素が不足していると、土中の有機物を分解できずにワキ(ガス)が発生します。
コナギの発芽一つで田んぼの生育環境を判断?できるようになると、その前後の変化をより核心的に捉えられ面白い!
(2)水の交換
田んぼには水の入り口と出口(尻目?)が必要です。筆者は、毎朝水の入れ替えに時間をかけて、新鮮な水と酸素を田んぼに供給できるよう心がけています。
出口のない田んぼは、水が滞留するので…(1)のように、酸素を嫌う雑草に好まれますね(笑)
また、”水を入れる田んぼ”ではなく、”水が溜まる田んぼ”を作らなきゃいけません。
活着には30度前後の水温が必要で、溜まる田んぼじゃない限り、稲の成長に悪影響を与えかねないでしょう。
(活着期は水深を深めに。葉が3割ぐらい覗かせる水深まで水を足します)
そうならないためにも、毎日の田んぼ見回りは必要
僕が毎朝意識してチェックしていることを書き留めてみます。
(1)1日の最高気温
(2)水の抜け具合 ※前日の何時に水を入れて、何時間で数センチ水位が下がったか
(3)朝の水温
(4)モグラやカニの穴
(5)水量
これを全圃場で確認、調整してなるべく水を入れ替え、酸素が多い新しい水にします。
(一つの水門から11個の田んぼに水を引くので、パイプが幾つにも重なり水が循環します)
全部の田んぼを見終わるのに約1時間。穴が空き、水が溜まるまでに最大で2時間程度かかります。周りの田んぼとの協調も考慮し、朝は7時半までに水を入れ終わるためにも、早朝5時半には水を見に行かなくてはいけません。
棚田という美しい風景の裏には、このような小さな日常が見え隠れし、一つ一つの暮らしが重なって”風景”が生まれるんでしょうね。
(筆)植田
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